チステルニーノ市長 ルイジ・M・コンヴェルティーニさん

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ベストセラー「南イタリアへ!ー地中海都市と文化の旅」にも紹介されているチステルニーノはダ・プーリアのチーフコンサルタント、ジョヴァンニ・パンノフィーノの生まれ故郷でもあります。
「プーリアな人々」記念すべき第一号はそのチステルニーノ市長に質問に答えていただきました。

dp(ダ・プーリア;以下dp):プーリアで一番好きな街はどこですか?
LC(ルイジ・コンヴェルティーニ;以下LC):それは、なんといってもチステルニーノ 以外にはないでしょう。となりまちのマルティナ・フランカとロコロトンドと共にヴァッレ・ディトリア(イトリアの谷)を縁取るようにおとぎ話にでてくるようなのどかな風景が広がっています。

dp:プーリアで一番好きな眺めは?
LC:バーリ県のポリニャーノ・ア・マーレの石灰岩でできた自然のバルコニーから眺める海。断崖絶壁にたつ地元のトラットリアで美味しいシーフードを食べながら海を眺めるのもいいですね。

dp:プーリアのどの季節が一番好きですか?
LC:チステルニーノではそれぞれの季節の美しさがあります。
春には冷たい冬から目覚めた大地にデイジーやポピーなど野生の花々が溢れんばかりに咲き乱れ、田園は鮮やかなカーペ ットがひきつめられたようになります。秋には木の葉があたたかな黄色に色づき、田園の道を覆います。オリーヴや栗の林へ続くその道をゆっくりと散歩するのも良いものです。
peo_sindaco6.jpg 冬は大地も人々も冬眠しているかのように静かです。クリスマスや新年のお祝いの準備に忙しい季節です。トゥルッリや街の旧市街の路地に雪が積もれば、子供たちは大喜びです。
夏は観光シーズンです。夜にもなれば、野外レストランに早変わりした”チェントロストイコ(旧市街)”の路地や広場は多くの観光客でうめつくされます。そこで名物の肉のローストや郷土料理を食し、地元で採れた美味しいDOCワインを飲むのです。また広場では伝統芸能やあらゆるジャンルの音楽や演劇、演芸などが夏の間中毎晩のように夜遅くまで演じられています。トゥルッリや旧市街の古い石造りの家の中はひんやりとして夏の暑さをしのぐには最適なため、多くの観光客が好んで滞在しています。チステルニーノは、海へも近く、丘の上に位置している石作りの街であることから比較的涼しいので、夏の観光拠点としては絶好の条件にあります。

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dp:プーリア料理で一番好きなものは?
LC:チステルニーノの郷土料理の美味しさは有名です。伝統的なトマトソース味のオレキエッテチーマ ディ ラーパ(Cima di Rapa = 菜の花の一種)ソース、ファーべ(fave = 空豆)のピューレと野生のチコリ、そしてペコリーノ・ノストラーノ、カッチョ・リコッタ、リコッタ・フレスカ、カチョカヴァッロなどの独特なチーズも特筆に値するでしょう。

dp:プーリアが一番誇れるものは何ですか?
LC:もてなしの心に溢れ誠実な人々。

dp:プーリア人の特徴は?
LC:この土地の大地のように素朴であたたかい。

dp:プーリアからのお土産で一番良いと思うものは?
チステルニーノの人間としては石でできたトゥルッリの置物などをお薦めします。 それに我々の経済のシンボルであるオリーヴの盆栽などはいかがでしょうか?(笑)

dp:日本についてどんなイメージを持っていますか?
LC:日本を訪れたことはないのであくまでも想像ですが、大きくてバラエティに富んだ風土を持つ”忠実な蟻”の国というイメージを持っています。プーリア人も蟻のような性質は似ていると思います。トマーゾ・フィオーレ*が著書「蟻の国 (Un popolo di formiche) 」で描いたように巨人の国が恐れるようなことを成し遂げた”蟻”のことです。
*トマーゾ・フィオーレ(Tommaso Fiore 1884-1973  プーリアの反ファシズム運動のリーダー)

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執務室からイトリアの田園を眺める。

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旧市街地の広場とジョヴァンニが生まれた家の窓辺

コンヴェルティーニ市長は、旧市街の保存と街の建築的な価値の再評価に積極的に取り組んでおられ、チステルニーノが昔ながらの素朴な温かさを残したまま活気ある平和な街であり続けてほしいとおっしゃっていました。個人的なご趣味はスポーツと読書、バールで市民と語り合う姿もよく見かける情熱的で気さくな方です。

[2003年11月12日] TrackBack(0)
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